士業向けネット配信・ウェビナー・Web(ネット)会議システムのおすすめ機材

第二東京弁護士会の髙橋喜一先生にお誘いいただき,YouTubeで配信を行いました。

既に再生数が900回以上となっており,いろいろな方にご視聴いただけてありがたく思います。

3人が使っているガジェット?リストは以下になるので,ご興味があればどうぞ。アマゾンのリンク付きです。

bit.ly動画ではいくつかガジェットを紹介させていただきましたが,時間の関係もあって詳しく解説できませんでした。

またこの業界の方だと文章のほうが早く読めるのではないかということで,現在もっとも需要が高そうな「士業向けネット配信・ウェビナー・Web(ネット)会議システムのおすすめ機材」について記録を残しておきます。

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私が事務所でネット配信・ウェビナー・Web(ネット)会議を行う際には,上記写真のシステムを使用しています。

パソコンはモニター裏のホワイトボードにマグネットシートで貼り付けています。

現状では,LenovoのThinkcentre TINYのRyzen 5モデルがおすすめです。コンパクトで場所も取りません。

ディスプレイは安価な4Kディスプレイを使用しています。

Web会議ソフトで参加者の一覧が出る場合には,ディスプレイの解像度が高い方が表示数が多くなるので,画面が広い4kディスプレイを使った方が利便性が上がります。

それと4kディスプレイに接続してわかったのですが,Intel製CPUの内蔵GPUだと4kで動画を映すとけっこういっぱいいっぱいになってしまうようで,AMD製CPUの内蔵GPUのほうがスムーズかと思います。ただし当事務所では理由があって外付けGPU内蔵モデルを使用していますが(理由は後述)。

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音声入力機器はヤマハ・ゼンハイザーを併用しています。

裁判手続きでもWeb(ネット)会議が予定されていますが,とにかくこちらの音声がきちんと相手に伝わって,相手の音声がきちんと聞こえることが大前提です。

ですので,機器をそろえるとすればまず音声関係からそろえていかなければなりません。

ヤマハのスピーカーフォンは,パソコンにUSB接続すれば使えて,音声もよく拾ってくれるのでおすすめです。 当事務所ではWeb(ネット)会議の他に,テレワークをしている事務局との音声連絡にも使用しています。

このスピーカーフォンが便利なのは,スピーカーフォンのグリーンで丸く囲われたマイクボタンをタッチするだけで,マイクのオンオフができるところです。Web(ネット)会議だと発言時以外はマイクをミュート(オフ)にすることが求められることが多いと思いますが,そのオンオフを手元で直感的に行えるのが便利です。

ちょっとネット経由のやりとりのレベルを上げたいという方は,とにかくこれだけ買えばかなり違うはずです。これ以降はどこまでレベルを上げたいかによるので,物足りないという方のための領域になります。

次に音声入力のオプションです。

ヤマハのスピーカーフォンは複数人で使用する場合には便利ですが,1人でネット配信・ウェビナー・Web(ネット)会議を行う際には,マイクを使用した方が周囲の環境音が入力されずに発言者の音声だけをよりよく拾えます。

ゼンハイザーの無線ピンマイクは,ライブなどの使用が想定されていて,途切れたりすることなく明瞭な音声を拾うことができます。

上記写真で変換アダプタがついているのは,購入当初は音声ミキサーを経由することを考えていたので3.5mmジャックではなくXLRコネクタ仕様のピンマイクを買ったためです。いろいろやっていくうちに音声ミキサーは不要ということになり,XLRコネクタ→3.5mm変換アダプタを購入して,YVC-200のジャックに刺しています。

音声出力については,ヤマハのスピーカーフォンでもいいのですが,もうちょっときれいに音を出したいということでサウンドバーを設置しました。

これで画面側から音声がでるようになり,かなり臨場感が高まります。もちろん,ヤマハのスピーカーフォンより音が聞き取りやすくなります。 

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Webカメラとして,SONYのZV-1を使用しています。

パソコンとUSBケーブル直結でWebカメラにもできるようですが,キャプチャーボード経由でHDMI出力を取り込んだ方がきれいな映像が出ます(出力解像度が違う)。それとWebカメラとしてある程度の時間使用する場合は,USBケーブルで電源供給しておかないとカメラの電源が切れてしまうので,やはり出力はHDMIケーブル経由でした方が良いと思います。

キャプチャーボードはこういう単純なものでもよいのですが,画面切り替えをしたいのであればATEM mini(Pro)になります。

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ZV-1ですが,キャプチャーボードでパソコンにつなぐと,画面以外にカメラの情報表示がそのまま出力されてしまいます。

これは上記写真の設定で,「情報表示」を「なし」にすれば解決します。

ZV-1を私がおすすめしているのは,①普通のカメラはシャッターを押さないとピントが合わないが(つないだだけだとピンボケ映像が出力されるだけになる),ZV-1は電源を入れればピント合わせがフルタイムで動作し続ける,②HDMI出力で情報表示をなしにできるかがカメラのスペックシートに書かれてないことがほとんどで,買って接続してみないと映像のみのHDMI出力ができるかわからないため,実績のある機種を買った方が無難,③センサーサイズが1インチで,スマートフォンや価格の安いコンパクトデジカメよりもきれいな映像が撮れる,という3点が理由です。

③はスペックシートで判断できるんですが,①②は使ってみないとわからない部分なので,思った通りに稼働した結果があるかどうかは非常に重要になります。

カメラはRAM Mountをいくつか使用して,おおむねカメラが自分の目線あたりになるような場所に設置します。

カメラが目線よりも上だったり下だったりすると,相手から違和感が出る(いわゆる上から目線でえらそうに映ってしまったりする)ため,このあたりも気をつけた方がいいポイントです。

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映像関係では,ライトも設置した方がよいです。

天井の電灯だけではどうしても顔に影(特に鼻の横や頬に出やすい)ができてしまい,「悪人顔」になりがちです。

Elgato KEY LIGHTは机に設置するクランプも同梱されていて,重量も軽いのですぐに設置できます。

適当なLEDライトを買ってしまうと,ディフューザー(ライトの前面の光を拡散させる白い部分)がついていなかったり適切でなかったりして,顔がてかてかしてしまうようなことが起きがちです。

ライトのセオリーも存在しており,本当は3灯必要なようですが,顔の正面と斜め横からの2灯でもかなり違いがあります。

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複数画面を使い分け,かつワイプ(テレビなどで画面隅に小さな別画面が表示されるもの)も使いたい,というときにはATEM Miniを使用することになります。

キャプチャーボードも兼ねているので,こちらを用意するのであればキャプチャーボードを別途買う必要はありません。

ATEM MiniとATEM Mini Proがありますが,複数画面だとどのソースに何を入力しているか知りたかったので,モニタリングができるProを使っています。ちょっと高くなりますが。

モニタリング用のモニターは,適当なものを使えばいいと思います。

ここまでが機材一式の説明です。

さて,当事務所ではわざわざ外付けGPUを使用していると書きました。

Thinkcentre TINYのワークステーションモデルで,nVIDIAのGPUをオプションで付けています。

nVIDIAのGPUがついている機種では,以下のノイズキャンセリングソフトを活用することができるためです。

www.nvidia.com

このソフトのノイズキャンセリンク機能はかなり強力で,このソフトを使えば環境音(エアコンや空気清浄機のノイズ)はほぼ消滅します。

どこまでそろえるかは人によりけりだと思いますが,これらの機材は一度そろえたら数年~10年くらいは使用できるものであるため,設備投資としてはそんなに悪くないと思います。