2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

農地の売買契約における消滅時効はいつから何年か(結論:農地法の許可申請協力請求権は契約時から5年ないし10年,売買代金の返還請求は私見だと代金引渡日から5年ないし10年)

農地につき,所有権移転を完成させるためには農地法に基づく許可が必要になります(農地法3~5条)。 そのため,当事者間で先に売買契約を締結して,条件付所有権移転仮登記を登記し,農地法に基づく許可が得られたことを停止条件として売買が完成するという…

不法行為に基づく損害賠償債権を相殺契約における受働債権とできるか(結論:既に発生している不法行為による損害賠償債権の場合は可能)

民法509条は, 「次に掲げる債務の債務者は,相殺をもって債権者に対抗することができない。ただし,その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは,この限りでない。一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務二 人の生命又は身体の侵害に…

借地契約終了時の立退料の算定はどのように行うのか(結論:借地権価格を基準に諸事情を加味)

土地の所有者から,土地を貸している借地人に対して借地契約の解除申し入れをした際,立退料の支払いを求められることがあります。 では,立退料はどの程度の金額が妥当なのか,またどのように算定するものなのでしょうか。 立退料の算定方法は,事案ごとに…

継続的取引の支払につき消滅時効を主張された場合,債務承認があったと反論できるのか(結論:都度都度弁済する契約か,一部入金かで異なる)

事業者間で継続的な取引がされていることがあります。 例えばA社とB社の間で,A社が金属原料の卸販売をしてB社がA社に対して毎月支払が発生するような例が想定されます。 このような場合に,現時点まで継続的取引を行っているが,B社に未払があり,か…

直前停止(直前停車)した車両に過失割合が認められるのか(結論:停止(停車)した車両の停車位置,停止(停車)してからの時間経過などによって過失がある場合もない場合もありうる)

交通事故が発生したときに,一方当事者が停止(停車)していたにもかかわらず,相手方保険会社から「直前停止(停車)なので過失がある」と主張されるときがあります。 // リンク 直前停止(停車)につき,「衝突の3秒前以内の停止(停車)だと過失が発生す…