家事事件

被相続人が生前保有していた有価証券をどうやって調査するか(結論:弁護士会照会または証券保管振替機構への開示請求)

亡くなった被相続人が生前、有価証券(株式・社債)を保有していた様子があるが、利用していた証券会社の支店が不明であったり、場合によっては証券会社さえわからない場合や、相続人の一部しか詳細がわかっていない場合があります。 この場合、有価証券の詳…

相続の際、債務整理を試みた後に相続放棄できるか(結論:債務整理を試みたことが単純承認となり放棄が成立しない可能性がある)

相続の際に、被相続人に財産はあるが返済が必要な借り入れ等もあり、借り入れを金融機関に少なくしてもらって(一種の債務整理)多少でも財産を相続できればそのまま相続し、借り入れが減らずに返済義務を負うような自体になれば相続放棄するようなことは可…

相続人間で相続に争いがある場合に債務者は供託できるか(結論:供託はできない)

相続人の範囲がはっきりしていて,各相続人の所在も判明しているが,相続人間で具体的な相続金額について争いがある場合に,債務者は誰にいくら払えばよいのか,または供託してしまったほうがよいのでしょうか。 例として,相続人が2人(各法定相続分は2分…

高等裁判所の家事審判に対する不服申立の期限はいつまでで効果はどのようなものか(結論:5日以内の手続が必要で,原則として執行停止の効力がない)

調停前置となっている家事事件で,調停不調となり審判に移行すると,家庭裁判所で審判となります。家庭裁判所の審判の結果に納得ができない場合,高等裁判所宛に即時抗告申立をすることとなります(家事事件手続法85条1項)。 家庭裁判所の審判に対する即…

家事事件において裁判官の忌避はいつまでできるか(結論:原則として裁判官の面前において事件を陳述するまで)

裁判手続では,裁判官には予断を持たずに審理をしてもらい,中立公正な立場から判断をしてもらう必要があります。 この点,事件当事者と裁判官に身分関係等がある場合には,裁判官の除斥という制度が定められ,除斥される場合の要件が手続法で法定されていま…

保険契約における保険契約者はどのように決まるのか(結論:形式的な契約者,実際に保険料を支払った者,いずれの場合もあり得る)

保険契約の契約者は,どのようにして決まるのでしょうか。 一般的に,保険契約の契約者が保険料を支払うため,あまり問題にはなりません。 保険法でも,生命保険契約における保険料支払義務の主体は,保険契約者であると定められています(2条3号)。 しかし…

親族であれば無条件に扶養義務が発生するのか(結論:余力がありかつ扶養需要がある場合に限られる)

民法では,第八百七十七条において,「直系血族及び兄弟姉妹は,互いに扶養をする義務がある。」と親族間の扶養義務を定めています。 では,親族間であれば無条件に扶養義務が発生するものなのでしょうか。 まず,生活扶助義務では,義務者が自己及びその共…

離婚の際に退職金は財産分与の対象となるのか(結論:対象とされる)

夫婦のどちらか又はいずれかに退職金が退職時に支給される場合,離婚の際に財産分与で退職金が対象となるのでしょうか。 まず,退職金,退職手当が財産分与の対象財産となるのは,退職金が労働の事後的対価,賃金の後払いであるという点に求められています。…

数人で相続後,一人が固定資産税を支払っていれば不動産を時効取得できるか(結論:税金支払だけでは時効取得できるとは限らない)

不動産を相続した場合に,相続人間で話し合いをしなかったり,または相続人間で相続登記を行う必要性を感じない場合があります。 このとき,登記は被相続人(亡くなった方)の名義のままとなります。 その上で,不動産の固定資産税は「相続人代表者●●」とい…

婚姻意思とは何を指すのか(結論:真に夫婦関係の設定を欲する効果意思があること)

婚姻の成立は,当事者に婚姻意思があることが前提です。 当事者に婚姻意思がない場合,婚姻は無効と定められています(民法742条1号)。 では,婚姻意思とは何を指すのでしょうか。 判例は仮装離婚の場合でも,「法律上の婚姻関係を解消する意思の合致」があ…

養育費について審判前の保全処分ができるか(結論:できない)・養育費請求前の養育費を支払ってもらえるか(結論:財産分与等で考慮)

家事事件手続法は105条で,審判前の保全処分という手続を定めています。 第105条1項 本案の家事審判事件(家事審判事件に係る事項について家事調停の申立てがあった場合にあっては、その家事調停事件)が係属する家庭裁判所は、この法律の定めるとこ…

未成年者が相続人の場合に熟慮期間と単純承認は何を基準に判断するのか(結論:法定代理人を基準とする)

相続事件で,相続人が未成年の場合があります。 相続人が未成年の場合,相続人は成年になるまでいつまででも相続放棄をすることができるのでしょうか。 これは相続放棄ができなくなる条件である,相続放棄の熟慮期間(民法915条1項)の徒過の起算点をい…

裁判離婚による離婚日はいつになるのか(結論:裁判確定日)

離婚届を提出して離婚した場合は届出日が離婚の日となります。 また,家庭裁判所の調停により離婚した場合,調停成立日が離婚の日となります。 では,裁判を経て判決主文に離婚が記載されて離婚する場合は,いつが離婚の日となるのでしょうか。 裁判所の判決…

相続放棄について債権者が取消請求できるか(結論:できない)

相続人が相続放棄(民法938条)をした場合,その相続人の債権者が詐害行為取消権(民法424条)に基づき,相続放棄の取消を求めることはできるでしょうか。 この点,遺留分減殺請求権の放棄については相続人の債権者が詐害行為取消することは可能とされ…

遺留分の放棄はできるか(結論:相続後は自由に可能,相続前は家裁の許可が必要)

法定相続人には遺留分(法定相続分のさらに半分または3分の1,民法1042条1項各号)という権利があり,被相続人が法定相続人に相続する財産がないような遺言書を作成していても,遺産の一部を受け取る権利が認められています。 では,この遺留分を放棄…

書籍を買いました

本を購入しました。 毎月一回、まとめて発注しています。定期的に発行されている書籍もあるので、年間で400冊から500冊ぐらい購入している計算になります。 書籍が多いとスペースの問題と検索性の問題が生じますが、これは書籍の電子化で解決しています。 電…

「単身赴任」は離婚破綻の判断要素となる「別居」にあたるか?(結論:あたらない)

夫婦どちらかが単身赴任している場合に,離婚破綻の判断要素となる「別居」にあたるのかについて,インターネットではあまり根拠を示さず「あたらない」としているサイトがままみられます。 これにはきちんと根拠があります。それは平成八年二月二十六日に法…

遺産分割の実務

今日は午後から東京で、東京家庭裁判所の裁判官の講義を聞いています。

書籍を買いました

久しぶりの投稿です。 実は平成30年4月から、茨城県弁護士会の副会長に選任されたため、なかなか時間が取れませんでした。 相変わらずご依頼も多く、仕事をさせていただいています。 本も相変わらず購入しています。

注釈民法

古い注釈民法を買いました。 注釈民法は新版が順次刊行されていて、発売済みの本はすべて購入していますが、いくつか新版が出ていない巻があります。 刊行されるまで待とうと思っていましたが、何年たっても刊行されないばかりか、もうすぐ民法改正までされ…

法律書籍

なかなか忙しく、仕事をたくさんしている気がします。 今月も本を買いました。ご相談に対して、最新の内容で正確なお答えをするよう心がけています。

家裁実務懇談会

午前中に龍ケ崎の裁判所の予定を済ませた後、水戸で家庭裁判所と弁護士会の懇談会に出席しています。

本を買いました

本を注文しました。 事務所の本は適宜電子化していますが、買う量も多いのでなかなか電子化が追いつきませんね。

相続財産管理人としてCICとJICCで借り入れ記録を調査する

亡くなった方に相続人がいないけれども,財産が残っている場合,その財産を管理するため相続財産管理人が選任されることがあります。財産はあるけれども借金のほうが多く,法定相続人全員が相続放棄をしたときに生じることが多いと思われます。法定相続人が…

離婚訴訟の終盤で新たな証拠を提出できるか(結論:できる)

離婚訴訟がかなり進行し,そろそろ判決も見えてきたという時期に,離婚訴訟の結果を左右するような証拠を新たに発見してしまった場合,訴訟に証拠として提出することができるでしょうか。民事訴訟では,民事訴訟法157条で時機に後れた攻撃防御方法の却下…