2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

取締役が退任後,退任前の会社と同種の事業を行えるのか(結論:原則として行えるが,場合によっては賠償責任が発生する)

会社法では,取締役が在任中,許可なく会社と同種の事業をすることを禁止しています。 会社法356条 取締役は,次に掲げる場合には,株主総会において,当該取引につき重要な事実を開示し,その承認を受けなければならない。1号 取締役が自己又は第三者の…

総務省 競争ルールの検証に関するWGにてヒアリングを受けました

昨年末に,私が所属している関東弁護士会連合会消費者委員会において起案した携帯電話につきオンライン解約を求める意見書を,関東弁護士会連合会理事長名で発出していただきました。 www.kanto-ba.org 意見書発出の後,総務省の競争ルールの検証に関するWG…

異議申立により後遺障害認定がされた場合の不法行為の起算点はいつか(結論:症状固定の診断時点)

交通事故によって受傷し,後遺障害認定のための申請(事前認定又は被害者請求)をしたにもかかわらず,後遺障害が認められないことがあります。 このとき,被害者の方が後遺障害認定に対して異議申立を行い,その結果,後遺障害等級の認定がされたとします。…

財産開示期日の呼出状を公示送達の方法により送達したが不出頭の場合,処罰されるのか(結論:正当な理由の有無による)

令和元年の改正民事執行法で,債権者から債務者に対する財産開示手続の制度が強化されました。 裁判所は,財産開示手続の実施決定をしたときは、当該決定を債務者に送達しなければなりません(民事執行法197条4項)。 また,財産開示期日を指定したときは,…

家事事件において裁判官の忌避はいつまでできるか(結論:原則として裁判官の面前において事件を陳述するまで)

裁判手続では,裁判官には予断を持たずに審理をしてもらい,中立公正な立場から判断をしてもらう必要があります。 この点,事件当事者と裁判官に身分関係等がある場合には,裁判官の除斥という制度が定められ,除斥される場合の要件が手続法で法定されていま…